【完結】君が教えてくれたコト
私…なんか変だ。
前は何にも怖いものなんてなかったのに今は穂高に嫌われる事…穂高が取られてしまう事がすごく怖い。
前の私なら穂高が私を嫌うなんて絶対にない。穂高が取られるわけなんてないってすごく自信があったのに…やはり、事故のせいだと思う。
事故で一度穂高の意識が戻ってこなかった事を経験して、こうして穂高の意識が戻ってからも私はかなり弱気になっていた。
やっと穂高と二人きりになった。
「結花、結花!」
「何?なんでそんな嬉しそうなの?」
「えー?見てわからない?右腕やっと解放されたよ!」
「あ…本当…よかったね」
右腕は足よりも怪我の具合が良かったらしく、もう普通に動かせるくらいまで回復していた。
「結花、久しぶりに抱き締めたい」
「あんまり無理しないでね?」
「あぁ」
ベッドの端に座ると穂高はグイッと引っ張り、私をベッドに引き込もうとした。
「ちょっと…足はまだ治ってないんだから駄目」
「だってベッドの中で抱き締めたい」
「わがまま言わないの…わっ…」
穂高は言うことを聞かずに私を布団の中に引きずり込んだ。