【完結】君が教えてくれたコト
「うわ!汗凄いぞ!具合悪いなら今日は止めた方がいいんじゃね?」
「違う…具合悪くない…緊張してんだよ…緊張して震えが止まらない…」
「緊張?何かあるのか?」
「今日…高野に告白する…」
「マジかよ!絶対に大丈夫だって!そんなに緊張すんなよ!」
俺は昔の写真が入ってる定期入れを握った。
「…自信ないんだよ…自信を持とうとするとこいつが邪魔してくる…」
弘貴に定期入れを渡した。
「こいつ?………え?これって…穂高?」
「ひどい写真だよね…俺…小学生の高学年から中学までそんなんだったからさ…」
「穂高!こんなのに縛られるなよ…変わりたくて変わったんだろ?あーっと…穂高は穂高だし!俺はどんな穂高でも好きだからな!」
「弘貴…声でかい…」
「あ、わり…だからな、高野もちゃんと穂高の事どんな穂高でも好きなら好きなはずだから…穂高の事嫌いではないと思うけど…あー…わけわからなくなってきた…もしまれに恋愛対象に入れなかったら泣かせてやるから!昔の自分なんか関係ない。今の穂高でどーんと勝負してこい」
「弘貴…ありがとう」
不思議と手の震えはなくなっていた。