【完結】君が教えてくれたコト


「さてと、次はちよ子の大好きなあそこに入ろうか!」

「え!?大好きじゃないよ!逆!いやっ!」


弘貴は天井を強引にお化け屋敷に連れていく。


「2名様ずつお入りくださいね」

「嘘っ!みんなで入りたいのに!」

「ちよ子ちゃん?さっさと進もうか?」


弘貴達は大騒ぎをしながら入っていった。


「お次の2名様どうぞ」

「高野、行こう?」

「…」


高野は何も応えてくれなかった。

もしかして、そろそろ飽きたのかな…

明らかに出てきそうな人形は古いらしく、作動しない。


マネキンの頭が転がって来て適当に端によかす。


恐ろしいくらいに…怖くない…。


「あ、そうだ…高野」


振り返ると高野がいない…あれ?

急いで戻ると高野は最初の地点で止まっていた。


「どうした?早く先、進もうよ」


すると、さっき作動し損ねた人形が横から飛び出した。


「キャッ…」

「え!?もしかして怖い?」

「………悪い?」

「ごめん…気付かなくて…えっと…よかったら掴まってください」


そう言うと高野は珍しく俺の腕に抱き着いた。


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