【完結】君が教えてくれたコト


高野に見られた…


俺は定期入れを奪い取って、高野から肩を抱いてる奴を殴った。


人を殴るなんて初めてだった。


あいつらがどんな反応していたかすらわからない…無我夢中で高野の腕を引いてあいつらから逃げ出した。




あいつらが見えなくなって、高野の腕を離した。


「高野…ごめん…………俺…ずっと…クッ…言ってなかった…」


俺…泣いてる…。

もう告白も絶対に皆無だしなんでもいいや…


「……ねぇ。私、知ってたよ」

「え…?」

「だって穂高と入試の時に話したじゃん」

「嘘…俺の事覚えてたの?」

「わかんないと思ってたの?馬鹿!」

「…ごめっ…高野ごめん…うぅっ…俺…もともとあんなに…太ってたような奴なのに…高野の事…好きになっちゃって………」


本当にカッコ悪い…断られる告白なら告白くらいもっとカッコ良く言いたかったよ。

俺、どんだけ泣いてんだよ…


「穂高…告白するならちゃんと目を見て告白して」

「え?……無理だよ…俺今…高野に顔見せられない…」


すると高野は俺の前に回り込んできた。
< 82 / 187 >

この作品をシェア

pagetop