夢みるつぼみ〜アイドルと秘密の恋〜
もう、いじけないでよ〜
席に着くなり、携帯画面の黒柳君の写真を眺めてぶつぶつ文句を言ってる。
さっきからこの調子。
グッズを諦めただけでここまでいじけるなんて…
「夢華、グッズなら黒柳君に後でもらえば?余ったのとかくれるかもよ?」
「もう、つぼみはわかってないな〜!グッズは1時間も経てば売り切れるよ。余らないから聖夜に頼んでも…」
1時間で売り切れ?
すごいんだな〜
「聖夜…そうだ!私はいつでも聖夜に会えるんだ〜!忘れてた」
えぇ!
忘れてたの〜?
馬鹿だなって言いながら自分の頭叩いてるし。
普通のファンとして来て、聖夜君との事忘れるなんて…
夢華って……
「みんな〜!今日は来てくれてありがとう」
「キャァ〜!優斗の声だ〜」
優斗君の声で周りのファンの子が叫びに似た声をあげる。
「準備はいいか?」
「聖夜の声だ〜!夢華はここですよ〜」
黒柳君の声に反応して、にやけながらステージに手を振る夢華。