夢みるつぼみ〜アイドルと秘密の恋〜
裏口に優斗君の姿が見えて駆け寄ると、後ろにアルファのメンバーが揃っていた。
夢華もそれに気付いたみたいで動きを止めた。
「みんなはもう知ってる」
黒柳君がぶっきらぼうに言うと夢華が驚いた顔をしたけど、安心したのか黒柳君の腕に自分の腕を絡ませていた。
「初めまして、一十木亮です」
「一ノ瀬昇だ」
「鐘晦雅大です」
軽く自己紹介をしてくれた。
私もしたほうがいいよね…?
「椎名つぼみです。よろしくお願いします」
「あ、新井夢華です。よろしく」
私に続いて夢華も自己紹介した。
「つぼみちゃんに夢華ちゃんか〜。二人とも可愛い名前だね。名前だけじゃなくて顔も♪」
無邪気な笑顔でそう言ってくるのは一十木君。
こんな笑顔で言われたら、大抵の女の子はイチコロなんだろうな。
でも、なんて反応をしていいかわからないから、一応苦笑い。