夢みるつぼみ〜アイドルと秘密の恋〜



少しの沈黙。



その沈黙を破ったのは−−


「落ち着きなよ、夢華!」


「佐知…葉…?…うぅ」


堪えていた涙が溢れてくる。



佐知葉は心配した顔で私のとこまできて抱きしめてくれた。


「つぼみ、泣かないで。高瀬君に聞いてみな?聞かなきゃ、真実なんかわかんないでしょ?」


佐知葉に抱きしめられてて、体は暖かいけど心は寒い。



ぽっかり空いた穴はすぐには塞がらない。



「なんて聞けばいいか…わかんないよ」



佐知葉は体を離して頭を撫でてくれた。


「つぼみは高瀬君を信じてる?」



私は高瀬君を信じてる?



信じてるのかな…?


自分の気持ちさえわからない。







私は優斗君の事信じてあげているのかな…





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