愛すべき人へ…
カラ~ン…
『こんにちは!』
琥太郎の声にビクッと反応してしまう…。
他のスタッフが出迎えた。
「紘さん、お願いしま~す。」
ドキドキと高鳴る胸を押さえながら、平常心を装う。
「…はい。入ります。」
大きく深呼吸をして、スタッフルームを出た。
「…こんにちは。お待たせしました。
ご案内しますね。」
目線を合わさずに笑顔を作る。
「…あっ。」
私を見て、琥太郎も驚きが隠せない様子だった。
そんなことは気にせず、無言のまま部屋に案内した。