愛すべき人へ…
「ベッドに横になってお待ちください。」
業務的な声かけだけを淡々と進める。
「…紘さん。。。その怪我どうしたの?」
私は、まだ身体中にアザや傷痕が残っていて、あちこちに絆創膏や包帯を巻いていた。
「…ちょっと、階段から落ちまして。。。」
準備をしながら、愛想なく答える。
「大丈夫?」
琥太郎はオロオロしている。
「…大丈夫です。気にしないでください。
見苦しくて、申し訳ありません。」
深々謝罪を入れる。
「…紘さん。。。」
顔を見なくても、悲しげな琥太郎の表情が目に浮かぶ。