愛すべき人へ…
「ねぇ、琥太郎?
旅行いかない?」
琥太郎にあちこちのパンフを見せる。
「どしたの?急に。」
唐突すぎて、パンフどころか驚いた顔で私を見てくる。
「ほら…琥太郎が働きだしたら、休みを合わせるのも大変じゃない?
今なら、私だけが調節できたら行けるじゃない?」
上手い言い訳をつけて、琥太郎を説得する。
「そう言われたら…そうだよね?紘、休み取れるの?」
琥太郎はパンフをなんとなく見始める。