Lonely Specter


「…はぁ、ふぅ…秋人君どうしたの?」


俺の数歩手前まで駆け寄り、一息つく茉衣。右手で髪をいじる。それは茉衣の癖だ。


「映画の待ち合わせにはまだ早いよ?」


腕の時計を見る。
12時34分、皆との待ち合わせ時間は14時。
充分すぎるくらいの時間の余裕があった。


「…それを言うならお前だって何をしてるんだ」


茉衣の質問には答えない。
逆に聞き返した。


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