また逢えるその日まで…
高校1年の春。
私が公園を散歩していると
「っくそー。んだよ、これ!!説明書が英語じゃ読めねぇーだろうが!!」
ベンチに座り、
一人で怒る姿を見て、
「ぷっ。」
思わず笑ってしまった。
「ん?何笑ってんだよ?なら、あんた…読んでみろよ!!」
説明書を手に取ると、
私は自信満々に読んでみせた。
すると、
「すっげぇー!!読めんの?英語。」
あまりにも子供みたいな顔で言うから、
「…ちょっとはね。」
私は少し、照れ臭くなった。
「ちょっとじゃねーし!!あんた天才だろ!?」
「夢…だから。」
なぜだか、この人に私の話を聞いて貰いたかった。
「え?…夢?」
「うん、通訳者になることが私の夢なの。」
「そうなんだ。だから英語読めるんだな。」
それから私は、
母親が自慢であること
父親が言ってくれた言葉で夢を持ったこと
全てを話した。
初対面のはずなのに、
言うとなぜだか安心した。