また逢えるその日まで…



高校1年の春。




私が公園を散歩していると



「っくそー。んだよ、これ!!説明書が英語じゃ読めねぇーだろうが!!」




ベンチに座り、


一人で怒る姿を見て、




「ぷっ。」




思わず笑ってしまった。





「ん?何笑ってんだよ?なら、あんた…読んでみろよ!!」





説明書を手に取ると、




私は自信満々に読んでみせた。





すると、




「すっげぇー!!読めんの?英語。」




あまりにも子供みたいな顔で言うから、




「…ちょっとはね。」




私は少し、照れ臭くなった。



「ちょっとじゃねーし!!あんた天才だろ!?」




「夢…だから。」




なぜだか、この人に私の話を聞いて貰いたかった。



「え?…夢?」


「うん、通訳者になることが私の夢なの。」


「そうなんだ。だから英語読めるんだな。」




それから私は、



母親が自慢であること


父親が言ってくれた言葉で夢を持ったこと


全てを話した。




初対面のはずなのに、
言うとなぜだか安心した。
< 9 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop