アザレア
その後の診察で妊娠が判明して。
マンションに連れ戻された私はいつになく誠に詰め寄り、そこで初めて知った真実は衝撃的なものだった。
――あくまで私にとっては、なのだけど。
『メイに何かあれば連絡が入るのは当然だろ、旦那なんだから』
何を今更、と呆れたように言う誠は、寧ろ何で知らないんだ、と頭を抱え、
『大体、給料明細とか見ない訳?』
『支給額なら通帳でも判りますし』
『んじゃ、ここに来た当初に俺が贈った指輪は?』
『あれ、指輪だったの!?』
『……あぁ。開けてすらいない、ね』
『も、申し訳ございません……!』
咎める権利は私にある筈なのに、何故か頭を下げる立場になってしまった。
マンションに連れ戻された私はいつになく誠に詰め寄り、そこで初めて知った真実は衝撃的なものだった。
――あくまで私にとっては、なのだけど。
『メイに何かあれば連絡が入るのは当然だろ、旦那なんだから』
何を今更、と呆れたように言う誠は、寧ろ何で知らないんだ、と頭を抱え、
『大体、給料明細とか見ない訳?』
『支給額なら通帳でも判りますし』
『んじゃ、ここに来た当初に俺が贈った指輪は?』
『あれ、指輪だったの!?』
『……あぁ。開けてすらいない、ね』
『も、申し訳ございません……!』
咎める権利は私にある筈なのに、何故か頭を下げる立場になってしまった。