アザレア
「っし、終わった! メイは?」
「あと二箇所……いえ、終わりました」
とうに定時を迎え、窓が映し出す夜景はネオンの渦。
やっとの事でカーソルをシャットダウンに合わせ、エンターキイを押してオーバーワーク気味だったパソコンの電源を落とす。
これで一段落。
愛車の鍵を手に、妖艶な笑みを浮かべた社長に促され、私も社長の後に続いて社長室を出る。
地下駐車場に着くと、当たり前かのように助手席ドアを開けた社長は、皮張りの座席に私が身を預けたのを確認してから車に乗り込んだ。
「夕飯はどうする?」
「外食ばかりでは身体に悪いかと」
「んじゃ、帰るか」
「……はい」
緩やかに動き出した車が向かう先は決まって同じ。
――私は今日も、社長に抱かれる。
「あと二箇所……いえ、終わりました」
とうに定時を迎え、窓が映し出す夜景はネオンの渦。
やっとの事でカーソルをシャットダウンに合わせ、エンターキイを押してオーバーワーク気味だったパソコンの電源を落とす。
これで一段落。
愛車の鍵を手に、妖艶な笑みを浮かべた社長に促され、私も社長の後に続いて社長室を出る。
地下駐車場に着くと、当たり前かのように助手席ドアを開けた社長は、皮張りの座席に私が身を預けたのを確認してから車に乗り込んだ。
「夕飯はどうする?」
「外食ばかりでは身体に悪いかと」
「んじゃ、帰るか」
「……はい」
緩やかに動き出した車が向かう先は決まって同じ。
――私は今日も、社長に抱かれる。