LOVE・ラブ・らぶ-先生と描くsweet life-



「あら、お出かけ?」


「はい、帰りとか遅くなるかもしれません。」


「もしかして、あの先生とデート?」


と店長が茶化してくる。



他の従業員の人たちは先生について知らない。


だが店長は先生と面識があり、付き合いだしたことも知っている。


歩は少しだけにやける。


「……はい。」


「そう。いつも可愛らしいけど、今日の格好、いつも以上に可愛いわよ。きっと先生も惚れ直しちゃうんじゃない?」


歩は身体が熱くなるような感覚がした。


「そんなこと………ない、ですよ」


「ううん、絶対そんなことあるわよ。私が保証する!あ、引き留めちゃってゴメンね。時間大丈夫?」


「あ、そろそろ行かなきゃ………。じゃあ、いってきます」


「いってらっしゃい。楽しんできてね」


店長は笑顔で見送ってくれた。


歩は少しだけ駆け足でバイト先を後にした。

< 12 / 289 >

この作品をシェア

pagetop