LOVE・ラブ・らぶ-先生と描くsweet life-



分かることは男性ということ。


だがこの世界には何万人、何千人と男がいる。


それは壊滅的な理由に過ぎない。



もう一つ分かること。


それは犯人から香ってきた匂い。


あれはどこかのお洒落なショップで嗅いだことある男性ものの香水だった。


だが香水なんて、詳しい人でなきゃ何の匂いなんて正確に伝わるはずもない。


ふたりとも香水について、さほど詳しくはなかった。


しかも香水の匂いが分かったって、その香水をその犯人だけが使ってる訳じゃなく、もっと使ってる人がいるはずだ。



「………ゴメンなさい。あたしが昨日犯人を見とけばよかったね。それに情報が全然伝えられないし、」


歩は悔しそうに苦笑した。



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