LOVE・ラブ・らぶ-先生と描くsweet life-
すると背後から歩の名前を呼ぶ声が聞こえた。
それは先生の声ではなく、他人だった。
それにその声は歩を“ちゃん付け”で呼ぶ。
歩は振り返った。
そこにいたのはハルキだった。
「あ、ハルキさん」
歩は微笑み軽くお辞儀をした。
ハルキは笑顔で、
「あ~よかった。忘れられてたらどうしようって思ってたから。」
「忘れるなんて、」
歩は首を横に振る。
「トモヤがめちゃくちゃ迷惑かけたみたいで、ゴメンね。あいつ、反省してるみたいだし許してやってね」
正直トモヤを許せる気はしない。
だけどもう半分諦めてる。
「はい。もうあんまり気にしてないので」
と歩は答えた。
「そっか。よかった」
ハルキは微笑んで答えた。
あの合コンにいた三人の中で一番ハルキが大人な男性だった。