LOVE・ラブ・らぶ-先生と描くsweet life-
「お世話になりました。そしてこれからもよろしくお願いします」
歩は深々と頭を下げた。
その相手はバイト先の店長を中心とした従業員。
今は店が準備中のため、客はいない。
歩は今まで借りていた部屋を引っ越し、先生と同棲することになったのだ。
今日は引っ越し完全終了の日。
「でもまさか歩ちゃんが学校の先生と恋人関係にあったなんて」
「店長だけ知ってるなんて~。店長教えてくれたっていいのに」
従業員の人たちが言う。
店長は何も言わず歩に近寄り、歩を抱き寄せた。
「歩ちゃんよかったね。私、はじめて先生見たとき、この人は歩ちゃんを幸せにしてくれるって思ったもの。今まで独りぼっちだった分、思い切り先生に甘えなさいよ?」
「はい……。店長のおかげです」
歩はそう言って笑った。