LOVE・ラブ・らぶ-先生と描くsweet life-



すると玄関の奥にある部屋から中年の男性が顔をひょっこりと覗かせて、


「そんなとこで盛り上がってないで早く上がってもらいなさい。彼女さんに失礼だろう。」


と声をかけた。


歩と目が合い、お互い軽く会釈する。


「父さんったら功が彼女連れて帰ってくるの一番楽しみにしてたくせに恥ずかしがっちゃってね~」


と江美子と南が笑う。


「親父らしいな」


江美子が2足のスリッパを準備してくれた。



歩は居間に通された。


なかなかの広さだ。


先生から香る大好きな匂いがする。


「まあ、座りなさい」


先生の父親の正史が満面な笑みで座るように促す。


歩は「失礼します」と一言発し座った。



江美子と南がお茶とお茶菓子を準備しに台所に向かった。


何だか江美子と南が動いてくれているのに自分は座ったままで良いのかと落ち着かなかったが、考えてるうちに2人も居間に来て向かい側に座った。


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