君雪
『大変ですね。』
横を通った高木先生に
声をかける。
『桜井ですか??ほんとに困ったもんですよ。』
苦笑いで答える高木先生。
桜井ッていうのか。
『いつもあんな調子なんですか?』
興味があッた。
俺の目の前に現れた
現代の人魚姫に。
『3年になってからですね。2年まではちょっと派手っていうくらいだったんですけどねぇ。』
困ったように笑う。
大事な生徒だという事が
にじみ出ている。
『‥‥大変ですね‥』
もう一度繰り返した。
桜井、か。
話す機会なんて
ないんだろうなぁ‥。