ストリング ~スマイル500円
太陽をまぶしそうに見上げて圭吾が言った。

「朝の空気って気持ち良いよね。一日が始まるぞーっていうのが」

そんなこと思った事がないかも。

「町がさ、動き出すのを見てると俺の中でも何かが動き出すのが分かるんだ」

私も分かりたいと思った。

圭吾がうっとりとしている顔を私もしてみたい。

そうだ、私の名前言おう。

「私の名前ね・・・」

そこで後ろからの声に遮られた。

「田代さん、お待たせ」

谷川君だった。


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