ストリング ~スマイル500円
なんで?

ああ、そうか、バーベキューに行くんだった。

谷川君は圭吾を見て軽く頭を下げた。

「あっ、あの・・・」

圭吾を谷川君に、谷川君を圭吾に、どっちをどう紹介したらいいのか分からない。

谷川君は私と圭吾の顔を交互に見ながら私の言葉を待っている。

「はじめまして。イトコです。ボクも田代です」

圭吾がスラスラとよどみなく言った。

やましい事は何も無いのにハラハラしていた。

「谷川です。田代さんと同じ会社で働いています」

改めてお辞儀をした。

「じゃあ、ボク行くね」

アパートとは逆の方向に歩き出した。

「うん・・・」

圭吾の後姿に向かって言っていた。

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