ラブレター・ズ
恋空
春の風は心地いい
鳥の声と緑の匂いが心地いい
ここに君がいたらと何度願っただろう
君は覚えているだろうか?
お日様が一番高く上る時間に、一緒に近くの公園でピクニックをしたこと
僕は覚えている
そのとき君が僕にした質問のことも
「ねぇねぇ」
君が何かの本を見ながら僕を呼ぶ
「………」
僕は君の作ったお弁当をしっかり食べてる途中
「ねぇ!」
「何」
「聞いてる?!」
「…」
「もう!…ねぇねぇ、みっちゃんはさっ、裸足で芝生を歩いてみたいとか思ったこと、ある?」
「ない」
「無いの?!…いが~い」
美鈴は一回近づいたかと思うとまた離れていった。でかい目を見開いたまま。
「美鈴あんの?」
「じゃあなんで裸足ヤなの?!」
美鈴はまた身を乗り出して聞いてきた。僕の話はまるで無視。…よくあること。
「足汚れるし、素足で土踏むのなんか気持ち悪い」
僕は首を一瞬傾けながら答えた。美鈴は目をパチパチして元の位置に戻ると冷たい目をしてこう言った
「みっちゃんってロマンが無いよね」

夏の香りはインドの味
肺いっぱいに吸い込むと
口の中に広がる甘いパイナップルのような味
「美鈴、海と山どっちがいい?」
「海」
「ふーん…」
「免許取ったら絶対ジープ!!」
「は?」
「4Wのジープ!!海でも山でもいけるやつ!!」
目をきらきらさせて彼女は言った
「…確認だけど、それ、誰が運転するの?」
「誰って…決まってんでしょ、私よ、わ、た、し!」
「へぇ…男らしいね…」
「えへっ」

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