トリニナル
ハジマリ
「いいか、ここにいる奴は全員敵だ!お前らの未来を邪魔しようとする奴等だ!残り半年、周り奴等を蹴落とすことだけを考えろ!」
「ハイッ!」
こんな会話がほぼ毎日都立神室中学校3年2組の教室に鳴り響く。…いや、日本中かもしれない。いいのか?教師がこんなことを言って。どこかの塾ならあるかもしれないが、本当の教育なのか?確かに、高校入試は大切だ。自分の人生を左右する事になるかもしれない。しかし、いいのか?ましてや、公立の学校だぞ。
周りの奴等は皆ばかばかしいハチマキをつけ、視線はあのアホらしい大人の眼球を貫かんばかりにとんでいる。
「おい、五十嵐!集中しろ!」
「……はい……すいません…」
ついつい周りの奴等を見てしまっていた。…何だよ、それくらいで…。
ここ、神室中学校ではとんでもない教育方針をとっている。
《管理の為なら手段を選ばず》
馬鹿かあいつら?管理教育宣言…実際にここの職員は何でもする。大概一つの中学校には不良がいるだろう。授業中廊下はもちろん教室を出ようとした瞬間、鉄拳だ。居眠りなんぞしたら、土日は補習…調子が悪いと言っても保健室には行けない。あとは、原始的なんだかどーなんだかとにかく、体罰が大好きだ。あいつらは楽しがってる。どんなに抗議の声をあげても効果は全くない。また、先生のプレッシャーがスゴい為親なんていても意味が無い。
それから、今の日本では公務員の違法行為が多発している。ここもその例外ではない。地方公務員だろうが国家公務員だろうが全ての問題はもみ消されている。まともな奴も中にはいるが、上に逆らったら即解雇だそうだ。だから、まともな奴も渋々問題があってももみ消しに荷担しているらしい。
こんな社会で一体俺達はどうやって大人になればいいと言うのか?
大人が駄目なら未来を担う俺達が日本を変えてやる!