いつも隣に君がいた ~クローバーの魔法~





「一生のお願い! これ、物理室に持って行ってくれない?」



「え…っと」



「今度何か奢るから!! お願い! ね?」



「あ…はい」



「ありがとー!! じゃ、よろしくね!」




眞崎さんはそう言うと、私にノートを持たせて、走って行ってしまった。




「あーあ…」




何やってんだろ、私。


そこまで面識ないのに、“今度”奢ってもらえるわけないじゃん。


大体、眞崎さんがそんな事いちいち覚えてるはずない。



もうすぐ、奈々ちゃんも来ちゃうっていうのに。



何で、『はい』って言っちゃっうの?



言いたいこと、はっきり言えない。



弱い自分。昔も今も、変わってない。



こんな自分が、大っ嫌い。




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