いつも隣に君がいた ~クローバーの魔法~
「ごめん! 遅くなっちゃった~!! って日鞠! 何でノート持ってるの? 日鞠も先生に頼まれた?」
その場に立ち尽くしていた私に、急いで走ってきてくれたんだろう。息を少し切らした奈々ちゃんが優しく問いかけた。
私は溢れ出してきていた涙を慌てて制服の袖で拭いて、俯いていた顔を上げた。
「奈々ちゃん…、ごめん…。眞崎さんに頼まれたんだ。断ろうとしたけど、断れなかった…」
「眞崎? 夏奈の事??」
「…うん」
「マジで!? どうせ、合コンかなんかにでも行ったんでしょ。もう、自分の事は自分でやれっつーの!」