GIFT
だから私は何があっても諦めない。
友達と同じ好きな人で、みんなに人気な塾の先生。
簡単な恋じゃないことは分かってる。
でも、私はお母さんの言葉を信じて頑張る。
絶対に諦めない。
「そっかー。」
今日あったことを話し終えると、お母さんは少し眉間にシワを寄せて腕を組んだ。
「村田美和、おそるべし!」
そう言ってお母さんは大きく頷いた。
「ねえ、お母さん。美和に私の気持ち話したら、美和はどう思うかな?」
「そりゃー、美和ちゃんの性格からしたら、ゆいちゃんなんか大っ嫌い!って言って口も聞かなくなるだろうね。」
「だよねー。」
私は大きなため息をつく。
「すー!」
お母さんは私のため息を勢いよく吸った。
「こらぁ、ため息つくと幸せ逃げんぞ!今お母さんが吸っちゃったからね!」
誰かがため息を吐くと、どこにいても吸っちゃうのはお母さんの癖。
というより、お父さんの癖。