GIFT
私は学校では、いつも渚と絵里奈と一緒にいる。
美和は朝も帰りもほとんど部活で、クラスも離れてるから学校ではあんまり会わない。
でもたまに、私たちがいる1組に来て先生の話をする。
渚も絵里奈も私の気持ちは知らないフリをして、美和の話を笑顔で聞いてる。
私も側で聞いてるけど、やっぱりたまに聞いてるの辛くなっちゃったりするんだよね。
「そっかぁ。美和、先生のこと本気なんだねー。」
一通り話し終わり、駅から学校までの道をとぼとぼと歩く。
「うん。やっぱり私の気持ちは美和には話せないよね。友達だから何でも話したいのになぁ。」
「でも、ゆい。いつまでも隠しておけないと思うよ?ゆいだって諦められないんでしょ?いつか話さなきゃ。」
「そっかぁ。そうだよねぇ。うーん…」
ああしよう、こうしよう、って考えが思いついても、それを行動にする勇気はなくて頭の中がエンドレスに回る。
暑さもあってか、教室に着いた頃にはもうふらふらだった。
「あれ、ゆいちゃん大丈夫?まじ顔疲れきってんよー?」
「あ、絵里奈ぁ、おはよー。」
私は席に着いた途端、机にへばりついた。
体がだるくて、ますます体育が嫌になった。
「なんだぁ?センセーのことぉ?」
「先生ってゆーか、美和が邪魔。」
「うっわ。渚きっつー!めっちゃハッキリ言ったねー。まぁ元気出して、ゆいちゃん!」
「うん、ありがとー。」
先生を好きになればなるほど自分の汚い心が見えてきそうで、空は暑いくらいの快晴だったけど、私の心は一日中もやもやと雲がかかってた。