GIFT
美和はバスケ部に入っていて、先生も大学のサークルでバスケをしているみたいで自然と話が合う。
それに美和は、先生の向かいに立っているから話しやすい。
私は先生の後ろ。
美和の嬉しそうな顔しか見えない。
美和は私の気持ちを知ったらどう思うかな。
きっと口も聞いてくれないな。
「あ、先生来た!」
考え事をしていても、先生って言葉を聞くと体が勝手に反応する。
それくらい先生が好き。
でもきっと美和も同じくらい先生が好き。
「先生、今日ね!先輩と試合したんだけど、美和6回もシュート決めたの!すごくない?」
いつもの所に立って、原付きのハンドルに前から頬杖つきながら話す。
「あーはいはい、すごいすごい。」
「えー、なにその感情こもってない返事!」
「いや、本当すごいって思ってるってー。」
「絶対思ってないってー!じゃあ、先生今度私と勝負してよ!」
「やだよ、めんどくさい。」
「いいじゃん、決定!あ、ママから電話!ちょっと待ってて!」