GIFT
「お前もバスケやる?」
「え?あ、え?」
急に後ろ向かれたから、びっくりして目逸らしちゃった。
「今、聞いてなかった?」
「え、うん、全然。」
美和は少し離れたとこで電話してるみたい。
「ママから電話!だって。」
「あはは、そうなんだ。」
「どした?」
「え?」
「何かあった?」
先生は後ろにいる私に話しかけるとき、ちゃんと目が合うように顔を向けてくれる。
そんなところにも、きゅんってしてしまう私。
「ううん、何もないよ!大丈夫!」
「本当かよ。」
「うん!」
「ちょっと!二人で何話してんのー!」
電話を終えた美和が戻ってきた。
「お前がママと電話してるからだろ!」
「え、先生寂しかった?ねぇ、寂しかった?」
「美和、うるさい。」
「えー!冗談で言ったんじゃん!」
「お前の冗談はうるさいんだよ!」
「なにそれー!ひどい!」
先生笑ってる。
私にはそんな顔見せないのに。
それに今、聞こえちゃった。
先生、美和のこと名前で呼んだ。