GIFT
いつからそんなに仲良くなったの?
私のことはまだ苗字で呼ぶのに、美和は名前なの?
やばい…泣きそう。
「こら、そこの2人!早く帰りなさい!」
塾長が塾から顔を出して怒鳴った。
「えー!塾長まだいたのー?」
「こら美和、塾長怒ってるから今日はもう帰れ。」
「はーい。先生ばいばーい!行こ、ゆいちゃん!」
「あ、うん。」
少しほっとしてる私。
今日はもうこれ以上、先生と美和が話してるとこ見たくない。
家に着くまでの間、美和は先生の話ばかりしてた。
それくらい本気なんだなって思えて辛かった。
名前で呼ばれてよかったねって言うと、そんなの前からだよって美和は笑った。
知らなかった。
私の知らない先生を見せつけられた気がして、悲しくて涙がこぼれそうになった。
街灯がぼやけていく。
涙が落ちないように必死で見た空は、雲がかかって悲しい色をしてた。