GIFT
お母さん
とぼとぼと歩く。
「じゃあ、ゆいちゃんまたね!」
「うん、ばいばい。」
玄関のドアを開けると、お母さんが出迎えてくれた。
「ゆいー!おっかえりー!」
お母さんの笑顔を見ると、悲しかったことも全部忘れちゃう。
「ただいまー!」
「今日はオムライスだぞー!」
「はーい!着替えてくるー!」
私の家は、私とお母さんの二人暮らし。
お父さんは5年前、私が小学校6年生のときに交通事故で亡くなった。
私もお母さんもしばらく立ち直れなかった。
特にお母さんは、心が壊れてしまって何も喋らなくなった。
ご飯も食べなくなって、毎日ただ涙だけ流してた。
私はそんなお母さんの世話をしながら、お母さんが元気になるのを待つことしかできなかった。
悲しみをこらえて、学校もちゃんと行った。
私がしっかりしなきゃって必死だった。