死への救急搬送
自宅に帰った私は疲れていました。
心底疲れていました。
私が家内の血圧がまだ100以上あった時に臓器移植を決断してお願いしていれば家内の希望が叶ったのかもしれなかった。
私が躊躇したばかりに家内の希望が叶えられなかったのだ。
私がみんなを説得したのに、その私が躊躇ってしまった。
なんということでしょうか・・・・
どう考えればいいのか。
娘や実家の方は心臓死でないのだから躊躇いがあったと思います。
それを家内との約束だからと説得したのに・・・
私が躊躇ってしまった。
「ごめんな千恵子」
「希望を叶えられずに申し訳ない」
あと僅かで命の灯が消えるのがわかっていながら躊躇した。
しかしなんとなく正直ほっとした気持ちにもなりました。
何故か・・・
命が消えそうなのに・・・
消えるのがわかっているのに・・・
人間は難しい。
心は難しいです。