死への救急搬送
私は回答用の用紙を楢木隊員に渡しながら言います。
「泊まり明けで疲れていると思います」
「数十分で終わりますのでよろしくお願いします」
楢木隊員は質問書を見ています。
「質問書を読みますので回答用紙に回答をご記入お願います」
「この質問書の回答を書けばいいのですか」
「そうです」
「では読んでいきますのでご記入ください」
私は1番から読み始めました。
最初は家内のバッグの奥に入っている携帯電話を取りだす時に障害者手帳などを見たのかどうかなど簡単な質問から入りました。
楢木隊員も自分の記憶通りに回答してくれていたものと思います。
ところが何故KA病院へ搬送しなかったのか質問する辺りから隊員の回答がはっきりしなくなってきました。