死への救急搬送
午前11時過ぎに私は見積もりを終え自宅に帰りつきました。
いつもなら家内はまだ腹膜透析をしている時間です。
当然家内はまだ自宅に居るものとばかり考えていましたし土産を配るついでに昼食を食べに行こうと思いながら帰ってきました。
ところがすでに家内は出かけていました。
私はいつもよりも早く腹膜透析を終わらせたのだなぁと思いつつ、私が帰るのと入れ違いになったのかなと考え、しかたがなく昼食を用意して食べ始めます。
昼食を食べ終わると同時に私の携帯電話に警察官から着信がありました。
「桜坂さんですか?千恵子さんのご主人ですか?」
「そうです」
「奥さんが自損事故を起こしました。場所はM市からU町へ入る手前にT信金がありますよね。その裏です」
「T信金の裏ですか」
「そうです。場所はわかりますか」
「わかります」
「事故はたいしたことがないのですが、奥さんがどうも脳疾患らしく今はまだ意識がありますが、救急隊に搬送してもらいます」
「すぐに現場へ来てください」
「わかりました」
大変なことになったとすぐに感じました。
そして警察官からの連絡を切ると同時に外出準備をしようとした瞬間またもや携帯電話が鳴りました。