死への救急搬送
処置室のドアが開き看護師さんが出てきて私のところに来ます。
「桜坂さんR病院と連絡がつきました」
「これよりS市救急隊に来てもらい転送します。救急隊が来るのを待っていると救急隊の方が先にR病院へ到着してしまうので、すぐにR病院へ向かってください」
「わかりました。そしたらすぐにR病院へ向かいます」
「ちょっと待ってください」
看護師さんが処置室から大きなナイロン袋を持ってきます。
「この中に奥さんの衣服やバッグなど当院へ運ばれてきたものが入っていますのでお持ち帰りください」
私は袋を受け取ると看護師さんに礼を言い車に向かいました。
向かう途中で叔母さんに連絡を入れR病院へ転送になるのを伝え、家内の実家への連絡を頼むとすぐにR病院へ向かいました。
果たして命が持つのだろうか・・・
頼む、頼むから持ってくれ。
祈りながら運転します。
命だけでいい・・・
間に合ってくれ。
頼む。