死への救急搬送
脳外科の先生からは今年になってからの病歴や手術歴、そして体調の変化やどんな薬が処方されているのか質問があり答えました。
ただ薬に関しては腎臓移植後に処方されていた薬からZ病院で少し変更があったことを伝え、その後今年3月の移植腎摘出手術の折にR病院の内科の岩畑先生に薬の処方が変更されたのを話しました。
詳しい薬の種類やその時の経過は岩畑先生に連絡して聞いていただけるように頼みました。
話をしているうちに麻酔科の先生が到着して相談を始めますし、家内がCT画像を撮り終えて帰ってきました。
次は画像を見ながらの説明がありましたが、その時はみんな入って聞くように指示があり父親や叔母さんたちも入ってきて説明を受けました。
「画像を見て分かると思いますが出血範囲が右脳全体の広範囲に広がっています。ただ脳幹部分には隙間があり小脳への出血も今はまだ少しです」
「僅かですが救命できる可能性はあります。ただし手術中に亡くなることも覚悟しておいてください」
「右脳に広く出血しているので血を取り除くのに脳をそれなりに欠損して傷つけることになりますので、言語障害や半身麻痺、または意識障害や全身麻痺あるいは植物状態になるかもわかりませんし、脳死になるかもわかりません」
「少なくとも元の状態には戻れません」
「あくまでも救命のための手術となります」
「よろしいでしょうか」
私は命だけでも助かれば、それで充分でした。
「よくわかりました。命だけでも助かれば十分です。宜しくお願いします」