死への救急搬送
看護師さんが手術室へ家内を運びます。
その家内が横になっているストレッチャーに付き添い手術室へ移動します。
手術室へ入る直前の家内は無反応で人形のように横になっていました。
午後5時25分
手術室に入りました。
M市救急隊が私の話を無視した搬送結果により事故後5時間半が経過していました。
手術が簡単でないことは理解していますし、これまでの経験から長時間の戦いになるのを覚悟していました。
家内の叔母さん夫婦や実家の父親夫婦は会話をしていましたが、私は何も喋らずただじっと座っていました。
待ってくださっているみなさんに今日これまでの状況を話しただけです。
ただただ死ぬことを信じたくなかった。
何故かやたらと喉が渇いて自動販売機へ茶を買いに行き飲みました。
KA病院へ到着して待合室で茶を買ってからいったい何本飲んだのだろう・・・
今までに両親や家内の手術で立ち会いを10回以上経験していますが、何故か今回は喉が渇きますし、そろそろ夕食の時間が近づいているのに食べたくもありません。
それでも何か口に入れないといけないだろうと思い院内の売店で小さな弁当を買ってきて数時間後に食べました。
時間は過ぎます・・・
理解してはいますが・・・・
苦しい時間が過ぎます。
「命」「命」・・・他はどうなってもいいから持ってくれ。
成功してくれ。
手術室の扉が開き
「手術は成功し救命はできました」
と言ってくれ。