soraharuka ~もしも私の声が届くなら~
prologue
今まで生きてきて、自分のことを不幸だなんて思ったことはなかった。
たとえ、どこかの誰かが憐れんで見ていようが。
たとえ、『かわいそうだね』という言葉を耳にしても。
いや…それも本当は、ただの強がりなのかもしれない。
間違いなく、『幸せ』とは言えないのだから。
ただ、いろんなことをあきらめて、自分に言い聞かせてきただけなのだ。
オレは、『不幸』なんかじゃないと。
今、目の前には扉があった。
扉は人生に似ていると思う。
その扉を開けば、いろんな事が待ち受けていて、そこには夢や希望があったり、後悔や挫折だってある可能性があるからだ。
この扉は、そう、オレの可能性であり、未来だ。
一度はあきらめたオレの……
…………
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