soraharuka ~もしも私の声が届くなら~


普段は緊張のカケラもないオレが、めちゃくちゃ緊張していた。


ドアの装飾には、『ご用件のある方はノックしてください』と記されている。


どうやらインターホンは無いらしい。


なんだかよく判らない動物のノッカーに手をかける。


「すぅーー、はぁ~~」


大きく深呼吸。


よしっ……


気を引き締めて、カンカンとノッカーを叩きつけた。


「あのー、すみません」


『は~い、開いてますからどーぞー』


と中から返事が返ってきた。


ゆっくりとドアノブに手を掛ける。


さあ、行くよ?


きっと、大丈夫だから。


願わくば、ここがオレのスタートになりますように――――


< 2 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop