interlude
2
流れるように乗った電車。
さっきは嘘をついた。

『連れの彼女に手出すわけないだろ?』

確かにマサとは友達だけれど
飲み会以外で会ったことはない。
元々誰かの友達で、その繋がりで飲み会に来たうちの一人だ。
そんなに深い付き合いではない。

ってオレは言い訳してるのか?

もし、マサが例え親友だったとしても
あの時のオレなら陽を奪取していたと思う。

それぐらいオレは
キミに夢中だった。

電車が動き出してすぐにキミはうとうと。
触れ合う肩のぬくもりを今日は誰にも譲れない。

オレも一睡もしてないし眠たいはずなのに
変に目が冴えて、眠るキミの綺麗な横顔を眺めていた。

見慣れた風景が遠ざかってゆく。
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