You and I
だけど
そんな僕の安らぎを
見事なまでに壊してくれた
あいつの声。
「あ、尚斗先輩居たぁ!」
「げっっ!」
チョココロネのようなクルクルの髪に
ケバすぎる化粧。
キツすぎる香水に
短すぎのスカートは
今にもパンツが見えそうな程。
佐伯エリナだ。
「げって何ですかぁ。」
「い、いや…。」
…しまった、つい心の声が。
慌てて口を押さえる僕に向かって
上級生のクラスにためらいもなく足を踏み入れる佐伯エリナ。
「今日何度か訪ねたんですけど、尚斗先輩ずーっと寝てるんですもん!」
「あぁ~…ね。」
とりあえず苦笑いを返す僕に
佐伯エリナの視線が窓際に移った。
更に最悪だ。