You and I
V
…それはあまりに突然の出来事だった。
その日は
前日の大雪もあり
辺り一面、真っ白で。
何年も暮らして来た町なのに
まるで別の町に居るような、そんな雪景色の日。
「なぁたん!ゆき、すごーいー!」
「…お前、この寒い中よく雪に触れられるな。」
そんな大雪にもめげず
いつもの通学路を歩く僕と樹里。
樹里はいつも以上に元気だった。
「なぁ、今日病院だろ?」
「んー?」
聞こえなかったのか
樹里が僕の元へ駆け寄ってくる。
「…ぷっ。お前、雪まみれ。」
「樹里、雪だるまー!」
きゃっきゃと雪に喜ぶ樹里に再び同じ質問を投げた。
「今日、病院だろ?」
「うん、そうだよー。」