You and I


何でだろ。


何で、こんなにイライラするんだろうか。





「…もうさ、やめよう。樹里は頼り過ぎだよ。」

「…え…?」



グシャっと頭をかき上げて
僕はその苛立ちを言葉にしてしまった。



「頼ってたら樹里も成長しないし。俺も正直、毎朝大変だし。」


あぁ、僕は一体何言ってるんだろ。


「これからは一人で起きろ、な。」




樹里が悪いんじゃないのに。


どうして
いつもみたいに優しく出来ないんだろ。





…最悪だ。






「……わかったぁー…。」



今にも泣き出しそうな黒目がちの瞳は
ゆらゆら悲しみに揺れて


樹里は僕を追い越して学校へ行ってしまった。






「…何、してんだかな。」




もー何でもいいや。



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