You and I
だけど後悔なんて
僕らには意味がなさすぎる。
“ごめんね”と簡単に言えなくなったのは
あまりにも傍に居過ぎたから。
ただ一言、伝えるだけが
僕らには難しくて。
『なぁたん。』
僕を呼ぶ樹里の声。
それが隣に居ないって事が
こんなにも苦しいなんて思わなかった。
「はぁ……。」
結局、僕は“ごめんね”の一言を言えないまま
朝を迎える事になる。
―――――…
「え?先に行った?」
「そうなのよ。珍しく早く起きてもう行っちゃったのよねぇ。」
次の日
重たい気持ちを抱えながらも
いつものように樹里を迎えに行った僕。
だけど
樹里は僕が訪ねる30分も前に家を出たらしい。