You and I
:
次の日から僕は
樹里を迎えに行くことさえしなくなった。
行ったところで
樹里が居ないのはわかっていたから。
次の日も、次の日も
そのまた次の日も
僕たちは同じ教室に居ても
話す事はおろか、目も合わせなかった。
これでいい。
これでいいんだ。
まるで呪文のように言い聞かせ
何事もなかったように過ぎてゆく日々に
もう、謝るタイミングすら見つけられなくて。
気が付けば
あっという間に一週間が過ぎてしまっていた。
「…お前、倉本と何かあったの?」
穏やかな晴天の青空の下
菓子パンを頬張る村上が僕に話を振って来る。
「…それ、上手いの?いつも食ってるけど。」
「……尚斗、お前話ずらすの下手すぎ。」