You and I
Y
その日の放課後。
『やっぱお前、倉本の事好きなんだな。』
僕が?
樹里を?
…そんな訳ない。
だって僕は樹里を
家族のように感じてたはずだ。
なのに、僕が?
いやいやいや。
…有り得ないって。
村上のバカのおかげで
僕はこの日、一日中その事ばかりが頭の中を駆け巡って
自問自答しながら
何度も村上の言葉を否定している。
だって有り得ないだろ。
確かに、少しは考えた事もある。
樹里が大切だって思うこの気持ちが
『恋』なんじゃないのかって。
だけどそれは違う。
…と思う。
だって僕は樹里といてもドキドキとか
そうゆう気持ちにはならないし
まして、異性として意識したりなんて
一度もなかった。