You and I
だけど相手はあの、佐伯エリナ。
早足で歩き出した僕に
負けじと駆け足で寄って来た。
「今日はあの人、居ないんですねー。」
「…………。」
あぁ、うぜぇ。
苛立ちを隠したまま
僕は彼女を振り払うように靴を取り出す。
「よかったら、エリナと一緒に帰りません?」
「はぁ!?」
ガコン!!!
驚いて靴を落とした僕に
「だって一人じゃ寂しいでしょ?」
と厚化粧の顔を緩ませる佐伯エリナ。
いやいや。
ちょっと待てって。
何でそうなる訳?
こいつマジで意味わからん……。
「あの~さ。悪いけど、前も言ったよな?君と付き合う気ないって。」
「はい。聞きましたぁ。」
何なの、こいつ!!