You and I
ぐしゃっと髪を掻いて戸惑う僕に
彼女は急に態度を変えて口を開いた。
「だってー。エリナ、絶対あんな人に負けてるなんて思えないんですもーん。」
「は?」
チョココロネをくるくる指に巻いて
悪びれた様子もなく
彼女は口を開いた。
「耳が不自由みたいですけど、あの人喋り方も変だしぃ。
正直、障害のある人って気持ち悪くないですかぁ?」
夕焼けが佐伯エリナの唇に反射して
キラキラとグロスが光っている。
「いいですよ、エリナ遊びでも。好きにさせますから。」
にこっと笑った佐伯エリナに
僕は改めて確信した。
「…ざけんな…。」
「え?」
バンッッ!!
「ふざけんなっつったんだよっ!!」