You and I
O
「…………。」
「…………。」
茜色の夕日が
無口な僕らに長い影を作る。
僕の隣には樹里が居て。
こうして肩を並べて帰るのは
一体、どのくらい振りなんだろう。
酷く前の事のように感じてしまう。
「……………。」
…何か話さなきゃ。
そう思っていても
彼女への気持ちに気が付いてしまった僕は
まるで石になったかのように口が動かなくて。
多分、歩き方もぎこちないに違いない。
そんな中、先に口を開いたのは樹里だった。
「…わ、忘れ物、取りに来たのー…。そしたら、なぁたんの、声が聞こえてー…。」
「そ、そっか…。」
お互い、視線は地面に向いたまま。
僕は意を決して口を開いた。